「先勝」とはどんな日?日常生活やイベントに役立つ知識をご紹介

カレンダーに「大安」や「仏滅」など六曜(ろくよう/りくよう)をよく目にするかと思います。大事な行事や予定を決める際に、六曜を意識する方も少なくないでしょう。
「大安が良くて仏滅は避けた方がいい」というざっくりとした知識は持っていても、ほかの六曜についてはあまり知らないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、その中の「先勝」について詳しく説明します。先勝の意味や日常生活やイベントの計画に活用する方法をご紹介します。先勝の意味を理解することで、より良い日取りを選ぶヒントにしていただければ幸いです。
先勝とは?

「先勝(せんしょう)」または「さきかち」「せんかち」と読みます。先勝は六曜の一つであり「物事は早くおこなうほど良い」とされる日です。午前中が吉、午後が凶とされます。何か重要なことをおこなう場合には、午前中(一般的には14時まで)におこなうと良い結果につながるといわれています。
そのため、先勝の日には午前中に重要な予定を入れるのがよいでしょう。たとえば、商談や契約、プロポーズ、勝負事などの各種イベントは14時までにおこなうことが推奨されます。一方で、午後からの大事な予定は避けた方が良いとされています。
六曜(六輝)について

「六曜(ろくよう/りくよう)」とは、カレンダーの日付に記されている「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」という6つの運勢を示すものです。もともとは中国で生まれ、日本には14世紀頃に伝わりました。
かつては暦に「暦注(れきちゅう)」という、各日の吉凶やその日に適する行動、方角を定めたものがありました。六曜も暦注の一つとして、日々の生活や行事を決めるうえで大切にされていたようです。
六曜それぞれには異なる意味があり、その特徴を知っておけば日常生活や大切なイベントの日取りに役立つ場合があります。以下に、それぞれの読み方と意味をご紹介します。
■ 先勝「せんしょう」「せんかち」「さきかち」
「先勝」は、早めの行動が吉とされる日です。午前中(厳密には14時まで)は吉で、午後は凶とされるため、重要な予定や勝負事は午前中におこなうのが良いでしょう。
■ 友引「ともびき」「ゆういん」
「友引」は勝負が付かない日であり、友を引く日ともいわれます。友引はお祝い事に適しており、特に結婚式が人気です。しかし、11時から13時の間は凶とされているため、この時間帯に始めるのは避けるほうが良いでしょう。
■ 先負「せんぷ」「せんぶ」「さきまけ」「せんまけ」
「先負」は、午前が凶で午後が吉とされる日です。この日は急ぐことを避け、ゆっくりと過ごすことが推奨されます。
■ 仏滅「ぶつめつ」
「仏滅」は六曜で最も凶とされる日です。この日はお祝い事や重要な予定を避けるのが良いとされています。何をしてもうまくいかないとされるため、控えめに過ごすことが推奨されます。
■ 大安「たいあん」「だいあん」
「大安」は六曜の中で最も平安な日とされ、終日吉です。入籍や結婚式、引っ越しなどや新しいことを始める日に適していると言われています。
■ 赤口「しゃっく」「じゃっく」「しゃっこう」「じゃっこう」「せきぐち」
「赤口」は、災いが起こりやすい日とされますが、午の刻(11時~13時)の間だけは吉とされます。この日は火災やケガなど、血や赤色に関連することに特に注意が必要です。
六曜を理解しておくのは、日常生活やイベントの日取りを決める際に役立ちます。特に冠婚葬祭などの大切な行事では、吉凶を意識して日程を決めることが推奨されます。六曜を上手に活用し、より良い結果を導くヒントにしてみてください。
先勝に適したイベント
先勝の日は新しいことを始めるのに適した日であり、入籍や結婚式、引っ越しなどのイベントや、商談や納車、勝負事にも向いています。
地域や家によって考え方が違う場合があるため、それぞれに応じた日取りを決めることを考慮しましょう。
以下に先勝に適したイベントについて詳しく解説します。
結納・入籍・結婚式

結納や入籍、結婚式は新たな人生のスタートに関係しており、「善は急げ」になぞらえて「先勝」も日取りの候補に挙げられます。特に午前中が吉、午後は凶とされているため、結婚式や入籍、結納などのお祝い事をおこなう際は、時間帯に気をつけることが大切です。
結婚式の日取りとしては、大安や友引が非常に人気です。しかし、先勝や先負などの日をあえて選ぶことで「式場の予約が取りやすい」「費用を抑えられる可能性がある」といったメリットもあります。実際に、費用やゲストの都合を優先して先勝の日を選ぶケースも見られます。
結婚式の日取りを決める際は六曜にとらわれすぎず、ふたりの都合や親族、友人の参加しやすさ、予算などを総合的に考慮して選びましょう。
引越し・納車・勝負事

先勝は「急ぎや勝ち負けが関わること」に吉とされ、引越しや納車、商談などの新規で物事を始めるのに適した日です。
新車の納車であれば、安全を願って先勝の午前中に行う場合があります。
また、商談やプロポーズ、宝くじの購入など、勝敗や成果が重要な状況についても先勝の日に設定し、縁起を担ぐことが可能です。
ただし、相手がいる勝負事や予定では、六曜にこだわりすぎると人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。相手の都合に配慮しながら物事を進めるよう心がけましょう。
先勝を避けた方がよいイベント
先勝の日は基本的にお祝いごとや新しいことを始めるのに適した日とされていますが、特に避けるべきイベントはありません。お葬式や法事をおこなうことに問題はなく、六曜の考え方では先勝の午前中に進める場合、特に気にする必要はないでしょう。
しかしながら、注意が必要です。先勝の日に問題がないとしても、翌日が友引であることが懸念されます。友引は「友人を冥土に連れていく」と解釈され、葬儀は避けたほうがよい日とされています。そのため、葬儀の前日におこなう通夜は先勝の日を避けることが一般的です。
以上の点を考慮し、家族や周囲の意見を大切にしつつ慎重に対応していきましょう。
まとめ
「先勝」は何事も早めに進めると良い結果をもたらすとされる日です。結婚式や納車、重要な商談をおこなう日として適しています。特に午前中に予定を組むことで、より運勢を引き寄せるとされています。
ただし、相手が関わるイベントでは、六曜にこだわりすぎず、双方の都合や状況に配慮しながら進めることが大切です。また、お葬式や法事も問題ありませんが、通夜については先勝の日を避けることが推奨されます。六曜を参考にしつつも、周囲の意見を大切にして予定を決めるようにしましょう。